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京都学派

京大人社の視点

京都学派は、近現代インド哲学・中国語圏の現代新儒家と並ぶ20世紀アジアが生んだ独自の哲学学派です。禅などの東アジアの大乗仏教思想を知的リソースとして、「真なる自己とは何か」をテーマに、当時の西洋哲学が陥っていた二元論に伴う困難を乗り越えるとともに、伝統的アジア思想を現実の社会的課題や科学的世界観と接続することを目指しました。上記の他のアジア哲学に比べ、西洋の論理とは異なるオルタナティブな論理の構築を目指した点、身体性を重視した点に特徴があります。代表的哲学者は、創始者の西田幾多郎の他、田辺元・西谷啓治・三木清・中井正一など。1980年代から世界的な再評価が進み、現在では非西洋の哲学運動を代表する存在とされています。