未来を考えるキーワード

AI/シンギュラリティ

京大人社の視点

シンギュラリティが到来し、AIが人間を超える知能を備えるようになるという予測に対して、人々は期待と危機感をないまぜにした感情を抱いています。たとえばAIのほうが知的に優れているだけでなく、より思いやりがあるなど道徳的にもより完全な存在となる可能性について、あなたはどうお考えでしょうか。人間がAIに仕えたり、AIによって仕事が奪われたりという状況を想像して恐れを抱くのは、実は新しいことではありません。暮らしや社会を便利にするために生み出した技術や制度が人間を支配し人間性を失わせるという人間疎外の問題は、すでに19世紀から指摘されていました。シンギュラリティを目前にした今こそ、より根源的に、人間の本質とは何か、何のための技術革新なのかを問いなおす好機と言えます。